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2016年10月19日水曜日

11月13日(土)「よその〈国〉の憲法を読む朝」


11月13日(土)「よその〈国〉の憲法を読む朝」です。
大谷隆と友人の北村紗知子さんの企画。

主催の案内を読んだりで思うところを書きました。

楽しみです。

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この企画の仮称は「外国の憲法を読む会」だった。
そもそもは7月の参議院選挙の朝、日本国憲法を読んで、いったいこの憲法が「普通」なのか独特なのか、独特だとしたらなんなのか、なにも比類するものを知らない感覚の中で、外国の憲法はどうなっているんだ、特に以前4年間住んだカナダという国ではどうなっているんだ、と日本以外の憲法を読むことに興味を持った。

そして先日、名前が「よその〈国〉の憲法を読む朝」に決定したことを聞いた。
すると、「日本国の外国としてカナダの憲法を読む」ということはすんなりといくのに、「自分の<国>でないよその<国>としてカナダの憲法を読む」と言うのは胸にひっかかるものがあった。

まがいなりにも4年間住んでしまうと、なんだかんだでカナダの自分への影響も感じる。そういうある種自分に根付いてしまったものを感じながら「よそ」とは言い切れん感覚があるんだろうなと思った。

たった4年住んだだけでこういう感覚を持つこと自体、そもそも日本人的なのかもしれないけど「よそ」という言葉の感じは面白い。

日本国憲法前文には「人類普遍」とか「普遍的」という言葉がでてきて、世界・人類の共通性みたいなものを匂わせるけど、「よその〈国〉」という言葉を聞いた時には、「人類の普遍性ってなに?」と、自分と何かを切り離すような涼しさがある。

人類がやることなんだから、<国>という単位でものを見たときにも何か共通性みたいなものがあるはずだ、と思っていたのかもしれない。そういうことを意識して考えていたわけではないけれど、そんな気がする。「よその<国>の憲法」と聞き、全くもってその<国>が国として何に根ざすのかわからない、そもそも何かに根ざすのかすらわからない、多分それを読むのだろうという感覚を持つようになった。

これは面白そうだ。こういう感覚は、今までの外国に行く、住む、関わるという感覚とは違っている。今までは、その国で育った葉や花から幹が曖昧に見えていたように思う。「よその〈国〉の憲法を読む」ということは、どんな土地に、どんな根を張っていたりするのか、そんなことを見ていくことのような気がする。

とにかく、行ってみよう。 




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僕たちが、日本人として「日本」という国を思い浮かべたときのあの感じは、他の国の人たちが自分の国について思い浮かべている感じと同じなのだろうか。そもそも、僕たちが「国」といったときにイメージするあの感じは、他の「国」の人たちも同じなのだろうか。

憲法というその国の基本構造となるものを読むことで、そういうことがなんとなく感じ取れるとしたら、これはちょっとおもしろいと思う。

想像だけれど、たぶん「人が集まっている」という、そのことそのものについての感じもきっと違うんじゃないだろうか。僕たちが「共同体」というような言葉でなるべく無味無臭に言おうとしているものは、もっといろんな味や匂いがするんじゃないだろうか。

外国というものがどういうものかを体験するために、僕たちには物理的にそこへ行くという方法がある。それによって僕たちは多くのことを知りうるだろう。

でも、物理的にそこへ行くことではなく、その場所の根幹に触れる体験ができるとしたら、僕たちは「よその国」との関わりのあり方そのものを更新できるかもしれない。

そして〈国〉というものとの関わりのあり方そのものすら更新できるかもしれない。

とにかく憲法を頼りに、よその〈国〉に行ってみようと思う。
世界中を旅し、世界中で暮らすように。

大谷 隆


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他者とともにあるって、どういうことなんだろう。そういうことを、この半年ほど考えていた。

そんな折、みんなで日本国憲法を、バカ丁寧に読む朝があった。改めて読むと、なんとも不思議なテキストなのだ。前文によれば、「日本国民」である「われら」は、「全力をあげて」「崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」という。誓いましたっけ?とは言い出せない雰囲気だからまいってしまう。

でも、これがこの国の構成なのだ。望むと望まざるとに関わらず、1946年から現在に至るまで。出生届が役所に提出されたその朝から、自分も諸々誓った日本国民らしい。

憲法とは、Constitutionの訳語だという。contsitutionはconstituteつまりcon〈ともに〉+stitute〈成り立たせる〉の名詞形だ。憲も法も、「おきて」という意味で、日本国憲法と私たちが呼ぶとき、〈ともに成り立たせ〉たものが日本なのだと思い出すことは難しい。それでは本来、Constitution〈みんなでともに成り立たせた国の構成〉ということが、どういうことなのか。

よその国のConstitution、憲法こそ、その手がかりになるはずだ。それを、ともに読んでみたい。

北村 紗知子


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よその〈国〉の憲法を読む朝

日時:11月13日(日)10時から13時
場所:スタジオCAVE(大阪市)
主催:北村紗知子、大谷隆
協力:山本明日香、山根澪
内容:まず、この企画について北村と大谷が話してみます。
   その後、いくつかの国の憲法を読んで、自由に話をする時間を持ちます。
参加費:2,500円
定員:8人
申込:フェイスブックで「参加」もしくはmarunekodo@gmail.com(大谷)まで。

参考文献:
・岩波文庫『世界憲法集第四版』
アメリカ合衆国憲法、ベルギー国憲法、イタリア共和国憲法、ドイツ連邦共和国基本法、フランス共和国憲法、ソビエト社会主義共和国連邦憲法、ポーランド人民共和国憲法、中華人民共和国憲法、日本国憲法が収録されています。

関連企画:
・7回シリーズ「日本国憲法をバカ丁寧に読む会」
https://www.facebook.com/events/301745626869434
10月13日から全7回で日本国憲法を読みます。会場はスタジオCAVE。

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