来週末になりました。楽しみです。
今回はテーマがある会で、テーマは「言葉・文章」です。ある文章を絵にします。
「言葉」は絵を描く会をはじめたときからすでに興味があったことで、絵を描くって言ったってそのことの多くを言葉で説明している事実だとか、わたしが勉強してきた西洋美術はちょっと遡ると聖書の言葉を絵にするということをやっていたりだとか、当たり前に言葉と絵は関係あるように思います。
そのことを普段は殊更に取り上げないように思うんですけど、今回は絵を描くということをしながら殊更に取り上げてみます。
歴史家の網野善彦氏は、「河原にできた中世の町」という絵本を画家の司修氏とともにつくっていて、その中にこんな文章があります。
河原や中洲、海辺の浜というと、みなさんはたぶん、荒れはてた人気のない場所あるいは運動場などにととのえられた広場などを思い起こすのではないでしょうか。しかし鉄道が発達するまえにさかのぼってみますと、川や海にはたくさんの船が往来しており、河原や浜のようすも、いまとはずいぶんちがっていました。[44]
網野さんは、歴史家でもちろん絵巻物などの資料は見ているけれど、どちらかというと書き残された文書を読むというのが専門だったと思います。そういう網野さんが、文書の世界を経て見ることのできた中世の世界を、絵にする。それは中世の人自身も、絵として残さなかった、初めてこの世に現れてくる絵なんだろうと思います。そんなことを思って楽しくなります。
それと、絵と言葉について、主に絵と言葉の違い(どちらかというと言葉の方からの観点から)として扱ったものは読んだことがあったんですが、もうちょっと絵と言葉の関わりくらいのところで考えられないかなと思ったりもしてます。
こんな感じで、自分のなかにまだ「これはこういう関係です」というまとまったものはないんですけど、描いてみてどうなるか、考えていきたいと思ってます。楽しみにしてます。
描く文章は、太宰治「斜陽」の冒頭のシーンにしようかと考えてます。
考え中ですが、印象に残っているとても美しいシーンで、今日久々に読んでもやっぱりすごいシーンです。
絵を描く会詳細はこちら。是非是非。