京都国立博物館「国宝」を見に行った。
どちらかというと西洋絵画が好きだと思ってたので、そんなに期待してなかったのに実際会場で見始めると興奮してしまった。
最近は展示はストーリーが大事だと思っていた。絵の描かれた時代背景がわかるように説明されそれがわかるように作品が選ばれているだとか、ある絵の特異性がわかるように構成されているだとか、そういうことがちゃんとされている展示がいい展示だと思っていたけれど、「国宝」にはそういう繊細さはほとんどないにも拘わらず面白い。普通だったらひとつの企画展の目玉になるような作品がバンバン展示されていて、説明なんかなくともよいものはよい、とどうしようもないセリフが出てきてしまう。
絵画だけでなく、書、工芸、彫刻なども網羅されているけれど、今回ちょっと驚いたのは仏像を楽しめてしまったこと。今まで仏像とか、頑張って見てみるけどあんまりわからないし、楽しめなかった。さすが、国宝クラスになると彫刻のこころがない人でも楽しめてしまうよう。興味の低い分野ほどいいものを見た方がいいのかもしれない。そういうことがないとそもそも興味は開けないのかもしれない。
それでも全体としては興味が大きいのは絵画やけど、感想をいくつか。
縄文土器(深鉢形土器)。
縄文土器というと、生命のエネルギーとか、そういう言葉で語られるイメージだったけど実際に見た縄文土器は非常に落ち着いたものに見えた。手つきがおちついているというか、形状自体はたしかに派手だと思う、でも模様を同じ太さのラインで入れているところなどから、落ち着きだったり、そこそこの訓練を積んだ職人性を感じるんだろうと思う。見ていてこんなに落ち着くものか、というのが意外だった。
六道と地獄絵セクション。
苦手。六道と地獄関連の絵は苦手だ。説教臭く意地悪な感じがして、なんでこんなもの描こうと思うのよ、と思う。国宝であってもやっぱり変わらず苦手だった。
楓図壁貼付(長谷川等伯)。
今回見た中で一番印象に残った。いわゆる風景画のイメージともちょっと違うんだけど、風景のようなものも描かれている。大木、きっと楓、と草花がみっちり描き込まれている。なんでこんなもの描いたんだろうな、と思う。とりたててなんでもない風景ではないか。どこかにありそうな楓の木に、後ろに川、楓の回りには季節の草花。でも、実際この絵になったものはなんでもないからはほど遠くて、ド迫力。おもしろかった。
最初は行こうかどうしようか迷ってたくらいなのにもう一度行くことにした。
もっと国宝見たい。
「国宝」展を特集する雑誌まで買ってしまった。
ざっと歴史背景、作者の個人的背景とか、そもそもの国宝の基本的情報とかさらってくれててわかりやすい。そんなのをおりまぜながらテーマ別で作品紹介なんかしてくれてる。
0 件のコメント:
コメントを投稿