前に絵のモデルをやったときのこと。

2016年11月11日金曜日

絵画

大学の時、美術の授業のモデルバイトを一度だけした。

自分自身も美術の学生だったから、そういう仕事あるのは知っていて2年か3年目のときに登録した。大半はヌードなんやけどなんか面白そうという勢いで。面接とか全くなくて、学部の秘書のおばちゃんにどの曜日のどの時間帯なら空いてるのって聞かれて、登録終了。他学年の授業のモデルしかできないから、結局自分自身の授業と大幅にかぶって、paintingの授業の肖像画の着衣モデルを何セッションかやらせてもらっただけ。20-30人の円になった学生たちの真ん中に台を置いて、その上で椅子に1セッションで3時間ほど座る。背中合わせでもう一人別のモデルがいて、後ろ半分の学生はその人を描く。始まってすぐに、目の前の学生にメガネを外すように頼まれて、朦朧とした視界の中での3時間は、何度かうとうとする。

後にも先にもあんなに大勢の人に自分の顔を描いてもらったことはない。途中、できあかりと何度か絵を見せてもらったけど、正直言って不満だった。まあ、あんまり上手くないという感じというか、外国人が描いた東洋人という感じがしたのか、うろ覚えだけど、後ろの男の人は結構上手に描かれてるし嬉しそうにしているし、とがっかりした。実際のところ人が見てどう思うのかわからないけど、とにかく自分が思ってる自分の顔と全然違った。うちが行っていたのはカナダの大学で、描いてくれたのは大半が白人のカナダ人だった。

自分が絵が上手い人だとは思わないけど、大学で本当にこれは描けてないと思ったのはある白人男性のモデルの肖像を描いたときだった。何回描きなおしても悲惨なほど描けなくて、講評のために回ってきた先生に "why you are so bad."と言われるくらいだった。そこまで言うか、と思ったけど、それくらいダメだったし、その人もうちの他の絵を知っていて、なんでそんなに悪いのかわからない、という感じでアドバイスのしようもないのかそれだけ言って去っていった。

その時は、白人の顔ってやっぱり見慣れない、描き慣れないから難しいんだと思ったけど、あの描けない感じ、描けてもらえてない感じはなんだったんだろう。

今さら、自分の絵を描いた人ともっと話したらどんな感じだったんだろうかと思ったり、今まだその絵が残ってるなら見てみたいという気になった。

自分の描いた絵は、頭の中には焼き付いてるけど、多分捨ててしまった。

最近、ポツポツと描き続けているので、思い出したり、考えたりしている。