「細雪」(谷崎潤一郎著)を読んだ。

2017年9月6日水曜日

「細雪」がおもしろかった。
(註:ネタバレあります。これから読む方はご注意ください。)

一昨日読み終わってまだなんとなく細雪は抜けきらずで、読み終わった直後には読めなかった作者あとがきのような『細雪「回顧」』という巻末の文章をやっと読んだ。

なんか上手いこと書評みたいなんを書ける気も全然しなくて、これを読むきっかけのひとつになった吉本隆明の講演での評なんか思い出してみたけど、そんなに「そうそう!」と思えるわけけでもなくて、要するにまだ浸っている。

没頭とか言って、頭から没入してしまったんやけど、でももう今は本は読み終わって、これ以上読めないわけだから、もう細雪読まれへんねや「つまらんなぁ」ってちょいちょい思う。

細雪の世界というと、戦前のお嬢さんたちの世界で、本家やら分家やら、ある種まどろっこしいとちょっと冷静になると思うんやけど、まあそんなこと関係なく面白い。なにがおもしろいんか、よくまだわからんけど、話はずーっと続いていく感じがあって、一応三女・雪子の結婚を成立させないとという当面の課題はある程度ストーリーを引っ張ってくれるんやけど、どこに到達したら終わりという感じもなく、すごい問題のように思ってたその結婚の話も読み進めるとまあどうでもいいとは言わないけど、思ってたほどのことでもないようなことになってくる。

結局、最終的に雪子は結納まで済まして、結婚式へ向かうところで終わる。けれど、「おめでとう、よかった、よかった」って感じはなくて、これから雪子どうなっていくんやろうか、というずっとこの本が引っ張てきた雰囲気を残したまま本は終了。

最後のページ、最後の行、最後のマスまでぎっちりと詰め込まれた文章に<終>の印もなく、そのまま続きがあるものと思って開いた次のページはもう『細雪「回顧」』でかなりびっくりした。

いやいや、まだ『回顧』できへんよ。と思ってやっとそれを読んだのが今日。