布のリュックづくりと方針として考えたこと。

2021年8月2日月曜日

CARAPACE 子どもとの生活

あらた用の布のリュックサックを作りました。

七夕のお願いを書いたときには欲しがっていたので、一ヶ月以上待たせたことになる。
2才児の一ヶ月ってどんなに長かっただろうかと思う。

保育園で他の子が持っているリュックに憧れてほしくなったんだろう。
ある程度イメージはあっただろうし、作ってみたものの気に入ってくれるのか不安だったけど、いまのところ喜んで使ってくれている。


革でもなく手縫いでもないリュックだけど、こういう機会は単にこのリュックを作るということを超えて、結構大事なことだ思っている。

リュックは革で作りたいと前々から思っている。
参考になることもあるだろうと思って作ったら、やっぱりアイデアが出てきた。
今出回っているリュックは背中がわりとしっかりと形を持っているものが多いが、全体に柔らかい袋のようなものを背負うものとして作れないだろうかと思っている。

ちなみに、布で作ったのは子ども用だからで軽さも需要だし、何年も使うことを想定できないから強度的にも必要ないだろうということがある。
あとはそもそも試作的なものなので、いまのところ革や布を調達しようと思えず、家にある布で済ました。


子供用で、布でといっても一応こういうことをやってみたいなということは考えて作っている。

まずは、チャックを使わないこと。
子供用のリュックだとほとんどはチャックだけど、使わない構造で作った。
キャラペイスではチャックは基本使わない。革との相性を考えたときに、チャックが先に壊れる。その上、交換が結構たいへん。
子供用なら交換まで考えなくていいだろう。でも、チャックで作るならチャックを組み込んでいくリュックの構造をとらないといけない。それはそれでいいのかもしれないが、別の可能性でやってみようと紐でしばるタイプで考えた。
この構造自体は販売終了したキャラペイスリュックの形を踏襲。あと絵本の「ぐりとぐら」に出てくるみたいなリュックがかっこいいので、そんなふうになればと思って作った。

もう一つは、芯材を使わないこと。
販売終了したキャラペイスリュックは、背中のところにプラスチックの芯材を入れていた。それによって背中部分の安定を得ていた。
別にいつもいつもアンチプラスチックというわけでもないけど、せっかく布のリュックを作るんだったら板なりスポンジなりの芯材はなしで済ませたい。

以前、家の家具をいくつか廃棄していたとき、通常のゴミ回収で持っていてもらえるようにわざわざ小さく解体した。
結構良さそうな家具で、表面にはそれなりの木材を使っていても、見えにくい部分はベニアでできているし、その間がダンボールで補強してあるということがしばしばあった。初めてダンボールの補強を見たとき、木製の家具の補強がダンボールであることにとてもがっかりしてしまった。
自分が作るものはできるだけ、そういうがっかりをなくしたい。

芯材というからには、布にはさまれた内側に使われる。見えない部分の処理というのは気を配るのが難しい。
実際、ダンボールが使われていることに捨てる直前まで気づかなかった。強度に問題もなかった。家では全ての家具を捨てたわけではない、残っているものもある。なにが捨てられ、なにが捨てられなかったか考えたときに、もしかしたら、見えない部分にダンボールを使うという制作の意識が影響したのではないか。
ちゃんとした木材を使うとコストも高いし、そもそもちゃんとした木材の入手が難しくなっている可能性があることは想像できる。

でも、自分が作るときも気をつけたい。