【CARAPACE】キャラペイスの場所 vol.13 道具を考えることと、どんなことをしたいかということ。

2022年10月19日水曜日

CARAPACE

 


昨年の道具棚。今ちょっと変更を検討中。

vol.13 壬寅歳長月号

目次

1.かっこいい道具が使いたい。
2.昔の人はどんなふうにやっていたのだろう。
3.例えば、カッターマットはなんとかならないか。
4.カッターと革包丁。
5.道具を考える面白さ。
6、道具の整理について。

1.かっこいい道具が使いたい。

キャラペイスもそうだけど、最近始めた金継ぎもそれなりに道具を使う。
ちょっと毛色は違うけど、10年ほどやってきた味噌づくりや、今年始める餅つきもそうだ。

道具を選ぶのにはいろんな方針がとれる。例えば、お手頃とか、家にあるもので間に合わせるとか、最初のうちは検討がつかないのでとにかく本に書いてあるものを集めるしかできない時期もある。

私の場合、ちょっと分かってくると考え始めるのが「かっこいい道具が使いたい」ということだ。とりあえず値段とか、使い勝手は置いておいて、使っていてかっこいい感じというのを想像する。

大抵は、そういうことを考え始める時点で、一般的に本やネットで紹介されている道具を使っている。別に変な道具を使っているわけではない。極めて一般的なものを使っている。

2.昔の人はどんなふうにやっていたのだろう。

でも、なんだかもっといいものがある気がする。そんな気分に時々なる。
だいたい、そういうとき指針にするのが「こんな道具、昔の人が使っていたはずがない。では、何を使っていたのか?どうやってやっていたのか?」という風に考える。
革の加工も金継ぎもそれなりの歴史がある分野のはずなので、明らかにこんな道具使ってなかったよな、という道具もある。

3.例えば、カッターマットはなんとかならないか。

最近気になっているのはカッターマット。裁断時に使う。
あまりかっこいいとは思えないし、昔から、例えば江戸時代から使っていたわけがない。
今簡単に手に入ってもう少しいいもので、厚手のビニール板というのもある。しかしビニール的さみしさはどうしても気になる。

多分だけど刃物を使う時は木材の上で切っていたのではないかと思う。
まな板みたいな感じか?


刃物用の木の机とかあるとかっこいいなと思うけど、それが具体的にどんなものであればいいのか、コストはどれくらいかかるのか、その辺がいろいろ未知数になってくる。

そして、そういうことは簡単には進まず今も実際にはカッターマットを使っているけれど、なにか情報が入ってきたり、なにか思いつけたときにその方向に進めるかもしれないと思う。

4.カッターと革包丁。

現代的な道具と古くからありそうな道具が共存している事例もある。

カッターと革包丁。

だれでもどこでも買えるカッター。
そこそこ伝統がありそうな革包丁。これも簡単に手に入る。

キャラペイスでは全部、革包丁に移行したいなと思いつつ、なかなかそうならない。

理由はいろいろあるけど、そもそも私は革の加工の大部分をカッターの方で初めてしまった。当然だけど、カッターと革包丁は使い勝手が違うので、革包丁で慣れていないが失敗したくない裁断があるときに、カッターを使ってしまう。

あと、よく言われることだけど、カッターは研がなくていい。
なので、裁断作業が少しだけのときについついカッターを使う、ということはよくある。

道具が置き換わるのにはそれなりに理由があるもので、カッターのお手軽さみたいなものは無視できないところがある。

お手軽さを無視して最終的な道具としての使いやすさはどうなのか、となるとそれはやっぱり革包丁だろう、と今のところ思っている。別に、革の加工をお手軽にやる理由も本当はないはずなので、今後革包丁の使用頻度はどんどん上がっていくだろうなと思う。


5.道具を考える面白さ。

そんなふうに結構うだうだと道具のことを考え続けていて、ちょっとづつ変わっていったりする。

金継ぎは超初心者なので、本を買って道具を集めた。

途中で気が付いたが、特に初心者向けの本の場合、本を書いている人が一番いいと思っている道具を紹介しているわけではない。
ある程度手に入れやすいように、とりあえず始められるように、そんなことも考えて提案している本が多いのだと思う。道具だけでなく作業工程も全部そうだ。

だから、楽しくなってきたら、もっとしたくなったら、「なんかこの道具おかしくないか?」と思って当然で、その進む先は、しばらくは中級・上級の本や資料をあたることで見ていくことができるけど、もうちょっと行くと自分のやりたいことに合ったものを「自分が」探すということにもなってくる。

たかが道具と思えないところは、「革」や「金継ぎ」やその他なにをやっていても、それを通して実現しようとしている何かと意外に密接に関わっているからだ。
「革が長く使えるからいい」と言っていて、使い捨ての刃のついたカッターを使ってるんじゃなんか興ざめするよな、と自分で思っているところがあるんだと思う。
そういう違和感はいきなりどうこうできなくても、考え続けてみたいことだと思う。


6、道具の整理について。

前回のキャラペイスの場所で言っていた道具の整理についてですが、やっと昨日手を付け始めました。
まずは、絵を描く道具がかなり、革の道具置き場に置かれていたので、その辺の整理から始まるという意外なスタートです。なんか恥ずかしいです。
今週、来週はちゃんと整理を進めたいと思います。

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