art works

絵画6作品(3シリーズ)を紹介しています。

肖像画シリーズ(4作品)

シリーズコンセプト:
肖像画をどんなふうに描けるか?
おもしろい肖像画が描きたかった。
今実際わたしたちが誰か他人のことを認識している、その仕方そのままを描こうと思った。

誰か人に対するイメージ、この人はこんな人だ、というのは、顔や服装だけでなく、その人の背景にあるものでも作られる。その人が行く場所、一緒に過ごす人、読む本、などほんとうに様々だ。今まで肖像画はわたしがすでにその人の対して持っていたイメージを、顔や服装やしぐさに描きあらわそうとしてきた。

この絵を見ることは、わたしを通した彼らのイメージではなく、彼の背景そのものをみるこになって欲しいと願っている。この肖像画を見て、ちょっとでも彼らのことを知っている気になってもらえればと思う。

コンセプト作りは大谷隆さん(まるネコ堂)と一緒に行いました。


タイトル:肖像画、2012
制作年:2013
アクリル、キャンバス(額装)



タイトル:肖像画、2013年8月4日
制作年:2014
アクリル、キャンバス(額装)
45.5×38.0cm


タイトル:僕の見た幸せの光景。
制作年:2017
絵本
24×19.7×1.7cm


タイトル:肖像画、2014−2015
制作年:2020年3月
アクリル、キャンバス
117×91cm



1歳

コンセプト:
息子が1歳前後の頃よく彼の絵を描いた。小さい子というのは魅力的でいつも描くに値するように思うけれど、この頃は格別だった。振り返ってみるとよくわかるが、それは中途半端な、過渡期の筋肉の魅力だった。

生まれて間もないときにほとんどなかった筋肉が、成長しほとんど立つまでになっている。でも、まだ走り回れる子供のしっかりとした筋肉には程遠くシルエットは柔らかさを持っている。中途半端な筋肉で取りうる態勢というのが、この時期独特でいとおしい。

制作年:2020年5月
アクリル、キャンバス
130×130cm

コメント:
わたしにとって子どもの絵といえば、岸田劉生の麗子像シリーズが思い浮かぶ。大好きな絵だ。そんな絵があるから、子どもの絵を描きたくなったのかもしれない。でも、もっと今風にと思った。背景のタイルは銀の絵の具を使って、日本の屏風を意識した。

「1歳」について動画で話しました。
(2020年6月9日掲載)


pandemic 2020, the browing history

コンセプト:
日本にチラホラと新型コロナウイルスのニュースが流れ込んできたのは2020年1月に入ってからだっと思う。そして4月16日には全国を対象に緊急事態宣言が発令された。

新型コロナウイルスの猛威は目には見えない。わたしたちは、しかし、スマホやパソコンによって得る情報から少しずつ迫るものを感じていたし、コロナウイルスのことを伝えるものはそれしかなかった。ブラウザの画面はこの気分を思い出させてくれる断片になるだろうと思って、閲覧履歴を参照しながら、ブラウザ画面を描くことに決めた。

わたしは、この数カ月の期間の雰囲気を残したかった。ブラウザでわたしたりが見たものは、日常を含みながら遠く世界のコロナウイルスまで伸びていく。レシピを調べる、買い物をする、ニュースを読む。コロナウイルスが引き起こす様々な生活の変化は、状況の変化とともに常に新しい判断を迫り、わたしはたくさんのことを考えてきたし、考えている人たちがいた。

社会の激変の中で、いままで普通にできたことも再考せざるをえなくなる。考えることに疲弊することもあるけど、よい未来を思いながら考えることは、なにかになっていくと思った。最終的に24を選んだブラウザ画面の中には、考える転機になったものも含んでいる。

制作年月:2020年5月 
マーカー、紙
展示サイズ可変(1枚のサイズは50.8×28.6cm)