国立国際美術館「2015 コレクション1」を見に行った。

2015年12月9日水曜日

美術館・展示

国立国際美術館「2015 コレクション1」を隆と見に行った。

全体の感想としては、うげぇあんまりわからん、悔しい。
そして、面白かった。


ぱっと見て、すごい、と思ったのは、
ゲルハルト・リヒター《STRIP (926-6)》(2012年)。
横長の画面に、名前のとおり横向きの様々な色のストライプ。
それだけなのに、異様で、引き寄せられる。
作品の真ん前に立つと、そのストライプの帯がウネッて、
目が混乱する。
ただ、真っ直ぐにひかれた線が波打って見える。
そのウネリに耐えきれなくなって、
現実に帰りたいと、
目を逸らすと美術館の白い壁や人々が目に入って安心する。

子どものときに、ブラウン管テレビの正体を突き止めてやろうと
画面から5センチも離れてないところからテレビを凝視して、
ただ3色の光がウネリながらまたたいているだけなのを
見つけたときのことを思い出す。
テレビでやっていたのは、お笑い番組かニュースか
忘れてしまったけどそんなものなのに、
近づいてみれば3色の光だった。

描かれたものを見るというのは全然違う体験をしたような、
ただ光が出る画面か、光が出る瞬間、を見さされたような感覚。
こういう鮮烈な体験をしたあと、他の絵を見ると
いわゆるミニマリストと言われるような、
極めて無機質な作品すらやさしく見えてくる。
描こうとするときに少なくとも光があることは前提とできるのかと、
それされも足場を自分で作らないといけなかったのか、
この人は全然立つところが違うように見える。



あとは、数点おもしろいと思える作品があったけれど、
わからないものが多かった。
何がその人の成し遂げたことなのかわからない。
しかも美術史的には有名な人のものも結構あったので、
うげぇと思う。
全然観たりへん、と悔しくなった。