2018年3月に行った展示。(主にターナー展の感想)

2018年4月10日火曜日

美術館・展示

・ターナー 風景の詩(京都文化博物館)
・祇園祭 役行者山の名宝(京都文化博物館)
・洛陽三十三所3(京都文化博物館)
・生業 ふるまい チューニング 小出麻代 越野潤(京都芸術センター)

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ターナー(1775-1851)、イギリスのロマン主義の画家といわれる。印象派より少し前の時期になる。写実的な絵が多いけど後半少し挑戦的というか、形や色をしっかり描かない絵があったので驚いた。一つは未完らしいのでなんとも言いずらいけど、印象派以前に、こんな印象派っぽい絵があるんだと思った。ものをはっきり捉えようというよりも大気を捉えようとしている、そういう印象だった。
では、何が印象派とあるいはモネと違うんだろうと考えていた。おそらく大きな違いはターナーは人が風景に対して持つ経験や感情を利用して絵を描いていただろうということ。モネはにも書いたけど経験とか記憶なんて無いように、初めてあるものを見たその感覚でただ目にやってくる光や色を描こうとしていたと思う。ターナーは、展示のタイトル通り風景ばっかり描く人だけど、風景に対して自分たちが持っている感情を使いつつ、さらにその感情を方向づけるような絵を描いていたんではないかと思う。例えば、恐れとか、荘厳とか、人間にはどうにもできない自然の大きさとかにピントをあてる。旅をしたり、海や山とのかかわりの中で育ったであろう感情を絵のなかに込めている。それが、形や色が写実から逸脱するという方向にでているように思う。ターナーの絵は、見ると狭いところに踏み込む感覚があったけど、それはある特定の感情を表そうとする方向づけがしっかりしてるからのように思う。モネの後期作品は、それと比べると扉を開けて外に出ていくような気分だった。どちらかというと広く、何があるのかわからない。