嗅覚が戻ってきた。

2019年10月28日月曜日

生きていくこと

副鼻腔炎の治療をはじめて1−2日の間にわずかだけど嗅覚が戻りはじめ、今日では随分匂いがわかるようになった。

今日は治療をはじめて5日目。病院に行った。

「時々においがわかるようになってきました。」
「よかった。少しでも感覚が戻れば大丈夫。」
と笑顔で言われた。
「戻らない人もいるからね。」

割とすぐに匂いが戻ってきたので、「においがしない世界」とかいうブログまで書いて、ちょっと深刻に考えすぎたかと少し思っていたけど、付け足された言葉を聞いてやっぱり運がよかったと思った。確率とか正確なことはわからないけど、言っておかなければならないくらいの頻度では起こるんだろう。

治療をはじめてから短い期間で嗅覚は戻ってきたけど、鮮烈な体験であったことには変わりなかった。金木犀の咲き始めの時期に、新に「金木犀が咲き始めてる」と匂いを感じて言ったのを最後に散り終わるまで一度も匂いがしなかった。今年は金木犀は花がよくついていたから匂いもまた強かっただろうと思う。

世界には自分には見えないたくさんのものがあるということに対して実感がつよくなった。光にしても、人間が見ている可視光線という限定的な範囲だ。その上個体差がある。嗅覚を失っていびつな世界に少しでも過ごして、他の人や動物が見る世界は想像を絶するということを体感した。