もう20年ほど前になるのかと思うとびっくりするけれど、中之島美術館がまだ準備室だったときの展示に何度か行っていた。
多分、駅か新聞で見つけたチラシを頼りについたところが心斎橋のオフィルビル(?)みたいなところでさすがに大丈夫だろうか・・・と恐る恐る入った。
ちゃんと絵があってほっとしたけれど、天井も低いし、展示だって決してうまくないという感じだった。
大阪中之島美術館。開館記念のコレクション展だから、当時見た絵がたくさんあった。
佐伯雄三、ブラマンク、マリー・ローランサン。
サントリミュージアムもよく行ったからそこから寄託されているというポスターの中にも見覚えのあるものがたくさんあった。
中高生の時によく見た絵を、こんなに束にして見れる機会はなかなかないんではないか。
当時どんな絵に影響を受けていたのか、改めてというか、初めて知った気分だった。
1800年代後半から1900年代中頃までの絵をたくさん見ていたようだった。
見覚えがある絵がたくさんあった。
記録をとっていれば、こんなふうに衝撃を受けなかったかもしれないけれど、なんだか衝撃だった。
そして同じ絵を違う場所で見るのもちょっとした衝撃だった。
コレクションというものの変遷を垣間見た気分だ。
ずっと注目していたわけでないけど、大阪市の財政難で新規購入さえ中止していた時期もあったらしい。でも、あのオフィスビル(や会場を借りての展示から)美術館に至るというのはびっくりする。コレクションされたものの力を感じる。
今までは、絵が面白いのは絵の存在だけがおおきかったけれど、こうして長く同じものが好きでいると、絵を取り巻く環境も興味が出てくる。
バタバタしていたのでもう行くのは辞めようか、と少し思ったけど行ってよかった。
自分が絵に興味を持ち続けている長い時間を感じれる、珍しいありがたい機会だった。
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