carapace:知っておいて欲しいこと(リュック編)

2016年5月9日月曜日

CARAPACE

2016年5月のcarapaceHP改装で「知っておいて欲しいこと」と「お手入れ」のページを、
各商品ごとではなくすべての商品に対して統一しました。

内容が似たことだったので、
各商品ごとに何度も読んでいただくよりも、
一度読んでいたけでばと思っての変更です。

HPからは削除してますがそれぞれの商品に書いた文章を、
こちらに残しておきます。

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知っておいてほしいこと。(リュック編)


もともと生き物だった牛革、人工物にはない不均一さがあります。

私たちは牛革を半裁という大きさで仕入れ、
そこからリュックを作っていきます。

半裁というのは、牛の皮を頭からおしりに向かって背骨のところで切った
ちょうど1頭の半分の大きさで、牛を横から見た側面といえばイメージできるでしょうか。
首、おしり、お腹と、牛の形がしっかり残っています。
ハギレではなく半裁の牛革を初めて見たとき、
革って牛なんだ、生き物なんだということが腑に落ちました。

こんな大きな動物が生きてたんだから、
怪我したりはあたりまえ。
私は見たことがありませんが
アトピーにかかってその跡がのこることがあるそうです。
鞣(なめ)されてできあがった革にもそのまま傷は残ります。



最初、私はキズの部分を使うことをためらう気持ちがありました。
きれいなもの、キズがないもの、均一なものを
商品として提供すべきだと思っていました。
でも、生き物だと思ったら均一なものを求めることの
不自然さの方が鼻についてきました。

多少のキズは強度に影響はありません。
そもそもこのリュックはキズを付けないように注意しながら、
恐る恐る使って欲しいものではありません。
だからこのリュックは買ったときからキズやシワが入っていたりします。
キズ・シワよりもわたしたちが気にかけているのは、革の性質です。

例えば、背中の部分の革は繊維が詰まっていて伸びにくい。
腹の革は繊維の絡み具合が緩く、伸びやすい。
大きな力のかかるショルダーストラップは背中の革を引張に強い方向に断裁、
コーナーのカバーなどは腹の革を使用という具合に性質によって使い分けています。