10月24日開催。言語美ゼミ第3シリーズ第1回。

2020年10月24日土曜日

言語美ゼミ第3シリーズ

参加者3人。
わたしが開催してこのゼミに誰か来るのか。
そんなことをどうしても考えてしまっていたけれど、3人での開催になって本当に嬉しかった。

初回ということで、レジュメの発表前に少し話す。
カエルさんの発言で、ゼミをやりはじめた初期の頃のことを思い出した。
当時知り合い3-4人で集まって、持ち回りで読む本を決めていた。だから他の人の選んだ本は全く興味のないことも多かった。にも関わらずとても面白かった。

本を読むことの面白さは、好きな本や興味のある本を読むことにだけあるのではないと知ったのがこのゼミだ。どこかの誰かが真面目に考え、わざわざ文字に書いたことはちゃんと読むと面白い。しかも誰かがゼミで読みたいとまで言った本だ。読んでいるうちに、自分に関係のあることして考えることも意外にできてしまう。
物理的に旅に出るよりも、家で本を読んでいる方がよっぽど何かに出会ってしまう。そんなことを考えていたのはその頃だったと思う。

本を読むおもしろさというのは、自分で本を読むことだ。当たり前すぎてなにを書いているんだと思い開催前はこのことを文字にすることができなかった。久しぶりのゼミで改めてそう思った。どんなに難しそうにみえる文章でも、自分の力で読もうとすることでわかることがあるし、それでしかわかっていかない。後で誰かに教えてもらうつもりで読んでも全然だめなんだと思う。自分で読むからこそ、後で誰かが言っていることが助けになる。

ゼミではレジュメを書く。自分で読みレジュメを書いた後に、他にその本を読んだ人のレジュメが読める。発表が聞ける。
今回、本当に誰も来なかったら一人で読もうとは思っていた。だけど、自分でレジュメを書いて提出し、一段落したあと、他の二人のレジュメを読むと、もうその時点で理解が深まって行った。自分が真面目に読んだからこそ、なにかよくわからなかった点に関して他の人の切り口を助けに近づくことができたり、単にスルーしていたところに深みを見て驚いたりする。もしかしたら、自分の読解が間違っていたかもとヒヤヒヤしたりもする。


今回、自分ではレジュメに取り上げられなかったが面白かったのが、意識への反作用ということに関してだ。

例えば、自分がなにかを心に思いえがく、そうするとそれは自分の意識に作用し、自分の意識の構造は変化していく。
例えば、自分でなにかを声にする。その自分の声を聞く。そうすると声を発する前とは、自分の意識の構造が変わっていく。

別にこれは他人の声でもなんでもそうだ、自分はそれを聞く事によって変化していくことができる。
小さな子どもは、最初は話せない。自分の声や、人の声を聞くことにより、日々意識の構造を変化させ、いわゆる「うまく話せる」という状態になっていく。

大人だって変化自体は同じように引き起こせる。
本を読むこともレジュメを読むことも面白い、というのはきっとそんな変化があるからだ。ちょっと大げさに言うと、約1年後これを読み終わったとき、わたしは変化している。どんな自分になっているのかわからない。

第2回も楽しみです。がんばります。

追記:
今回は、吉本の引用した文献もすこしずつ読んでいく予定です。
読んだ本を記録していきます。


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 ■ 大谷美緒の催し&お知らせ ■
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○開催中:吉本隆明『言語にとって美とはなにか』ゼミ第3シリーズ

○10月31日:第0.5回まるネコ堂芸術祭

○11月14日〜16日:キャラペイス 秋の展示会2020

○12月15日〜12月21日:言葉の表出、冬合宿2020
https://mio-aqui.blogspot.com/2020/05/2020.html

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2019年6月1日発行雑誌「言語6」に寄稿文が掲載されました。