第2回まるネコ堂芸術祭のワークショップで新が作った練りきり。 |
第1-2回まるネコ堂芸術祭に出展してくださった田村恵子さんが和菓子の練りきりを使ったワークをされていた。
白あんベースの生地に色をつけて形を整える。
中には黒いあんこが入る。
それだけの和菓子だから味にバリエーションがあるわけではないだろう、と思う。
せっかく味わうものなんだからそれがなんだかつまらない、と思っていた。
今年になったくらいから、新を連れて実家に行く度に「ばってんや長衛 」という和菓子屋に行くようになった。定番の饅頭などの他に練りきりの和菓子をいつも何種類か置いている。
練りきりの主題は季節に合わせたものが置いてあって、7月に行ったときは「朝顔」や「夕顔」なんて名前のものもあった。
新には自分で食べたい好きなものを一つ選んでもらう。
新は圧倒的に練りきりを選ぶ。
そんな味の変わらないものを毎回!?と思ったりもしたけれど、毎回季節の形をしているので、同じ形のものを買うということはない。むしろ同じものは買えない。
しばらく見ていて、こういう色や形も含めて食べることを楽しんでいるということにやっと気づいた。
選びたくなる彩りや綺麗さ、それだけでなにか。
字が読めれば、タイトルを読んで何かを感じる。
それ自体とか、そういうことも含めて味は形成される。
確かに材料だけとってみれば同じかもしれない。
色粉に味があるわけでない。
でも、違う気持ちで作った、違った見た目のものを食べるという体験は、「味」とよばれるものや「たべる」という体験に影響していることがわかってきたし、重要なことに思え始めた。
気づいてしまえば、形が変わっても同じだと思っていたことが乱暴だったと思う。
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