【CARAPACE】キャラペイスの場所 vol.11  この夏考えた手入れのこと、カビのこと

2022年8月16日火曜日

CARAPACE

5年以上は履いたスリッパです。
vol.11 壬寅歳文月号


目次

0.カビ・手入れについて、2022年時点での考え
1.カビに対する考え方
2.革に限らず、カビが生えるという状況について
3.使っているのが一番の手入れ
4.梅雨から夏場だけ使わないものが一番カビやすい
5.生えるときは短期間で生える
6.空調に関して
7.カビ・手入れについて書いてみて

0.カビ・手入れについて、2022年時点での考え

本来であれば、カビ発生が気になる梅雨入り前にアドバイス的に書いたらいいのにと思わなくもないのですが、今年の梅雨から夏にかけてを通してカビ・手入れなどについて考えたことを書きたいと思います。
かなり自分の状況に特化した内容になってしまいました。


1.カビに対する考え方

いきなり「対処方法」から書くと、絶対にカビは生えない方がいいのだという無条件の前提になってしまうので、まずはカビが生えることをどういう風に考えているかというところから始めたいと思います。


使用しているキャラペイスの革製品にカビは生えたことはあります。
その後、その革製品を使っているか(使えるか)というと問題なく使えるので全て使っています。できれば生やしたくないともちろん思っていますが、危機感の度合いとして、そういう意味でなにがあっても絶対に生やさないのだというものではないです。
風呂場にカビを生やしたことのある人はいると思うのですが、ちょっと生えたからといっていきなり風呂がダメになるとは思わないと思います。まあ、よいとは思わないけど、この先も付き合っていこう。どう付き合っていくかと考える入口もなったりすると思います。


そして、カビが生えやすくなる条件は3つあると言われており、それは、高い気温、高い湿度、汚れ(カビのエサになるもの)がついているです。
自分の観察としてもその通りで、3つ重なるとかなり生えやすくなります。
例えば、高い気温、高い湿度であっても汚れていなければ生えない。逆に、多少汚れていても、気温・湿度が低ければ生えません。

多分、食べ物と同じ感じで、真夏だからといって洗ったお茶碗にカビは生えないし、真冬に炊いたご飯を2⁻3日寒いところに置いといても食べれるということに似ています。


カビの生えた革や、生えなかった革をみたりしていると、そもそもカビ菌はどこにでもいて、条件が揃えばカビは生える。
そんな風に思えます。

2.革に限らず、カビが生えるという状況について

高温多湿の日本で、家の中にまったくカビを生やさないということはちょっと無理じゃないかと思っています。

うちであれば、掃除が行き届いていない部分の台所なんかは目に見える形でカビたことがあります。あとは、溜まってしまったホコリ、本がカビっぽいなんてこともあります。

それで、それが心地よい状況かというと、そうではない。
部屋がカビ臭いというのはなんとなく不快であるとか。ホコリを掃除しててくしゃみが出たり、目がかゆくなってしまう。そういうところがカビを考える根っこにあるんじゃないかと思います。

高温・多湿・汚れ、みたいなものはそもそも不快だし、その状況で発生したカビを放置しておいてもいいことがない。

うちでは、息子の新がアトピーになったのをきっかけに、ものを減らし掃除のしやすい部屋にしていき、さらに1年ほど前から、雑巾がけも始めました。
継続的にうちに来てくれる人からは「清らかな空間になった」などコメントをもらうことも多々あり、部屋がきれいになることによって割と露骨に気持ちよさを感じられることがわかりました。


だからといって、もちろんカビゼロでもなければホコリゼロでもない。
でも、掃除の行き届きの心平均レベルが上がっていくと、生活全体が気持ちいいなと感じる。
そういうことを考えながら部屋に置く物の選別・掃除のやり方を考えて暮しています。

そんな感じで部屋や家の状況を考えていると、革のカビということもそれだけを取り出して対処しようというよりも、全体のなかの一つとして考えられるようになりました。

気持ちよく生活する、使うという中で、革の手入れはどうしていけばいいのか。

3.使っているのが一番の手入れ

「使うのが一番手入れ」というのは、いろんな意味で使ってきましたが、カビが生えないという意味でもこれは結構大きいです。

日常的に「使う」ということは、通常それを「触る」ということ。
ちょっと大袈裟にいうと「磨いている」ということ。

掃除しているようなものなので、ホコリなどほとんど溜まることがありません。

さらに、日々それを「見る」ということになるので、異変があればすぐに対処できる。「ちょっと汚れたから拭いとこー」「なんか乾いたからオイルいれよう」みたいなのも使っているからこそ。

多少汗が染み込んでいても、毎日使っているものが梅雨時期にカビたということはありません。

あ、例外としてトイレスリッパの外側がカビました。
相当条件が悪かった。今年は、トイレ掃除のたびにスリッパ表面も拭いてるのできれいです。


4.梅雨から夏場だけ使わないものが一番カビやすい

うちで使っているもので一番カビが気になるのは秋から春にかけては毎日履くスリッパです。使わなくなる梅雨から夏場、可能性が上がります。

使わなくなっちゃうのでほっておくとホコリも溜まるし、あまり手を掛けなくなります。
更に秋から春の汚れがどうしても染み込んでいる。
そして空調されていない部屋の保管なので露骨に温度・湿度の影響を受けます。カビ条件が揃っています。

なので、どうしようかと考えました。
流石にわざわざ使うというのも変だし、毎日拭くというのも重荷です。
ほっておいてカビるとわかってるものを放置したいわけでもない。


まず、ひとつやるのは使わなくなってきた時期に水洗いしてできるだけ汚れを落とすということです。
「冬服直す前に、きれいにしておこう」という感じの乗りです。

それできれいにして収納してしまおうと思った時もあったのですが、涼しい部屋に収納できるわけでもない。カビ発生の可能性はあるので(その可能性は綿などの服より高い)、収納して万が一カビが生えたとき、秋まで放置になるのではなく、すぐに見つけて対処したい。
そう考えてうちでは、冬と変わらずにいつでもつかえる状態で置いています。


部屋の壁に引っ掛けているだけなので、普通にホコリが溜まります。
他の展示用スリッパも飾っている棚の横です。

ここのところ、展示品やその他いろいろきれいにしたい、という気持ちが大きくなったので、使わなくてもホコリが溜まってくると掃除したくなるようになりました。
そんなタイミングやお客さんが来るタイミングでスリッパを磨くようになりました。きれいになって気持ちいいいし、カビ発生の軽減につながっています。磨くのは頻度的には週1以下です。

わざわざ手入れしているわけですが、家や商品がきれいになる感じとセットなので気持ちよくやれています。
使わない物も見えるところに置いている限り、展示品という意識でみるようになりました。
そうすると日々の手入れが、カビ対策であるとともに、自分の気持ちいい空間づくりやお客さんを迎える準備のように感じます。



5.生えるときは短期間で生える

そんな風に週1くらいの頻度で拭いていても、高い気温・高い温度が続くと長年使ったスリッパは1-2日で表面にカビがでたりします。

それくらいの高温多湿になると普通に不快で、家や布団も湿気て臭う感じです。

感覚的に生えるとわかるので、手入れは多めにしますが、雨が続くと布団や洗濯物がすっきりしないのと同様難しいです。

表面のカビは気づいたら落として、晴れた日を待って水拭きしたり、風にあてたりします。

6.空調に関して

今までのところ、汚れを取るという方向の手入れに関して書きましたが、カビの発生条件としては温度・湿度があります。

この調整ができるのはエアコンくらいかなと思います。
自分で温度・湿度の調整はできない・・・

うちでは使っている革製品の置き場所をわざわざエアコンを使う部屋に変えてということは今のところしていませんが、「この長雨のうちはエアコンをよく使う部屋に保管しよう」ということもありなのかなと思います。

7.カビ・手入れについて書いてみて

なかなか自分の状況に特化した内容になってしまいました。
汚れの付き方やそれに伴ったカビの発生の有無は、使い方や家の状況で随分異なると思うのでどれだけ参考になるのか・・・と思ったりはします。

自分の状況にあった手入れを探していって欲しいという気持ちにもなり、細かいことでいえばそういう面もありますが、方向性の提案はしたいと思います。

使っているものに関して、「使っていて心地いいなと思える方向性」へ向かっていく。

気になる汚れは落とすとか、カサカサな状態ではなくオイルを入れてしっとりさせるとか、書いてみれば当然ですが、変化を意識しつつ清潔だったり、しっとりしてたりで気持ちいいと思える方向へ向かっていくのがいいと思います。
なんか良くなったらいいな、と気を向けてもらえると楽しいと思うし嬉しいです。
具体的なことは、質問があればメール等で聞いてください。



使っていない時期があるものに関して、「見てて心地いい状態」へ向かっていく

「数年以上使わない」みたいなものに関してというよりは、使わない季節があるというものに関してです。
しまい込んでしまうよりは、目に見えるところに置いておく。
その時に、まずは自分が見ていて気持ちいい状態であるのがいいなと思います。
気づいたらホコリは落とす。オイルも抜けていくので、気になったら入れてみる。
そうすると革自体良い状況に保たれると同時に、それを置いている家自体が気持ちいいものになっていると思います。



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