結婚

2014年9月9日火曜日

3年近く一緒に暮らしてきたパートナーと結婚を決めました。「結婚どうするの?」と聞かれると「もう一緒に住んでるし、そんなに理由がないよ」と言い訳がましく答えていましたが、ずっと結婚はしたかった。しようという話はなんとなくしていたけど、前には進まなかった。そんな状況が変わった理由の一つに私が結婚しないといけない理由がなくなったというのがあります。

なんで結婚しないといけなかったのか、結婚というものを使って相手に頼ろうと企んでいたところがあります。頼るというのは、なにか選択の決定権を結婚相手に移譲しようとしてしまうこと。そして、幸せとか、楽しみとか、満足とかを結婚相手の存在や選択によって得ようとしていたんじゃないかと思います。それで、何か上手くいかないことがあると私は選択はしてないくせに文句は言うという企みです。

今となってはこうやって書くこともできるけど、本当にこれが理由として機能していたときにはこんなふうに考えている自分というのがちゃんと見れていませんでした。いったん自分がこう考えているのかとわかると、そういう関係性をもってこの先ずっとともに生きて暮らしていくことはできない(だから結婚という形で関係性を半ば無理やり維持しよう考えていたのかもしれない)し、自分の人生を自分で選択して生きていくことにしっかりチャレンジしたいと思い始めて、「結婚しないといけない理由」がなくなっていきました。

それでも何故結婚するかのとなると、「私のもの!」と印をつけておきたいとか、それによるなんとなくある安心感を得たいとか、「結婚おめでとう」と言われてみたいとか、ちょっとした積極的な理由があります。そして、最近パートナーの父親が亡くなってから思ったことですが、パートナーの家族と関係をつくる一つの手段というか、パートナーが死んだときに自分が葬式のことくらい問題なくやりたいと思う気持ちがありました。結婚する方がそういうことはやりやすいと思うし、していないとどうなるのか想像がつかないというのがあります。死に関連しては他には相続の問題がありますが、これも結婚しないことでの相続のハードルが上がってそれは困ると考えましたが、少したった今、金銭的な相続は気持ちとしてはそんなに困らないと思うようになりました。年を取ったら気持ちがどうこうの問題だけではなくなってくるとは思いますが、とにかくこの10年20年の問題として。

生きているときのことに話を戻すと、結婚を実際に決めると、名前の問題が浮上します。どっちの苗字にするのか。これは、二人ともどちらでもいいが、名前を変えるのはめんどくさいと言っていたのでくじで決めることにしました。何人かの友人に立ち会ってもらい、引いた結果、私がハズレだったのでパートナーの苗字に変わることになりました。名前が変わるとわかって最初の感想は「悔しい」で、くじで決めてしまったので反射的にそう思ってしまうところに笑えました。

さて、戸籍上の名前は変わるけれど、通称を使うことはできるし、名前というのを今後どうしていこうかというのをその後考え続けてきて出した結論が、通称「山根澪(やまねみお)」を使うということです。ちなみに今の名前は「山根美緒(やまねみお)」です。
結論に達するまでに考えたことが、私自身が一番その名前によって影響を受ける人物だということです。他人がどう思うかというのはその次くらいに考えればいい。そして、私が今後生きていきたい名前が「山根澪」でした。「山根」は今までの苗字をそのままに。パートナーの姓を選ばなかったのは、名前を一緒にしてしまうことでやっぱり決定権を移譲しようとしてしまう自分が出てきやすいだろうなと思ったから。自分がそういうことを考えてしまうということを知っていながら、そういう状況というのをわざわざ自分でつくらなくてもいい。「美緒」ではなく「澪」にというのは、「澪」という名がもともと親が付けたかった名前で今使ってみたいなと思ったから。当時の名前漢字になかったので使えなかったという話を何度も聞いていました。

以前、元々パートナーの知り合いだった友達の家に遊びに行き、帰るときに「次は個人的に来てね」と言われたことがあります。かなり衝撃的な言葉で、本当にそのときはパートナーにいろんなことを預けている自分が見えていたんだなと思います。まだ、それから遊びに行ってないので次行くのが楽しみです。一人で行くかもしれないし、二人でいくかもしれない、それには関係なく次は個人的に行きます。
例えパートナーの知り合いであっても、友達の友達であっても、何かパートナーとともにやることであっても個人的に関わりあっていこう。なにかとても当然なことをパートナーとともに暮らし、結婚を考えることを通して導き出してきたと思います。結婚というのはそういう思考のランドマークの一つであり、これからもともに考え、変わっていくということを繰り返して行くのだろうという気がします。



さて、名前は婚姻届を出した日から本格的に「山根澪」を使い始めようと思います。まだ出していないので今は「山根美緒」です。旧姓を選ぶというよりも、また新たに自分に名前をつけたような気持ちです。