『「「「夢」」」ー敦賀原子力発電所ー』をまるネコ堂で展示。

2020年9月9日水曜日

まるネコ堂ギャラリー

 アクリル画の『「「「夢」」」ー敦賀原子力発電所ー』をまるネコ堂にて2020年9月ー10月と展示しています。1点のみの展示です。この9月に描き終えたばかりのもので、M80号という145cm×90cmほどのそこそこ大きなキャンバスに描きました。


まるネコ堂に来られた際に是非見てもらえれば嬉しいです。

もし、絵を見に来てくださるという方がいらっしゃれば念の為ご連絡の上起こしください。

mio.yamane@gmail.com  (大谷美緒)


これから2ヶ月に1回くらい展示替えしながらなにか絵をかけていけたら面白いかなと考えています。


作品写真はこちらに掲載しませんが、作品説明として書いたものを以下に掲載します。


作品によせて
「夢のエネルギーは今も夢のエネルギーのままだ」

 「美しい原発」や『「原発」と「夢」』というテーマは、3.11の震災のあとすぐに大谷隆にもらったテーマ。否定的な言葉ばかり聞いていた気がするあの時期に、よくそんなことを考えるなと思うけど、検討違いのことではないとワクワクした。


 夢のロボット鉄腕アトムは原子力で動くし、祖父の技術好きは直接的には言わなかったけれど原子力発電所を愛でていた。「美しい」や「夢」という言葉はなにか原発について考えるきっかけのような気がした。


 2019年頃からやっと、少しずつ本格的に絵にしようと考えはじめる。様々な資料を調べると1950年代には「原子力の平和利用」は世界的に大きな夢だったことがわかってきた。

 

 実現にはいたっていないけれど、原子力発電は自給的なエネルギー源として構想されている。これが成功すれば、日本のエネルギー問題を解決できる。解決どころの話ではない。そんなことが問題であったことすら忘れてしまえる。最終的には一家に一台の原子炉で、各々が自立した生活を送れるところまで夢見ていただろう。


 原子力のエネルギーは太陽の放つエネルギーと同じだ。細かく分類すると今の原子力発電所と太陽のエネルギーは同じではないが、原発は今まで人間が使ってきたエネルギーとは桁違いのエネルギーを放出する。絵の画面上部は、原発を星の比喩で表した。そのエネルギーは星のように大きい。また、放射性物質の時間は人間の時間の長さというよりは星の時間の長さのようだ。


 原発そのものは、「夢」というイメージをテーマパークのようなものとして表した。敦賀発電所は1970年の大阪万博に電気を送った。そこからも発想を得た。深く考える前に楽しさがある場所。ただ深く考えると複雑な気分になる場所。


 下部は、実際に敦賀発電所のビジターセンターに行ったときの写真をもとにしている。それは観光スポットとして訪れるものであったし、今でもセンター自体は存在する。ここには描ききれなかったけれど、自分の祖父が小さい頃にこういった施設を連れて回ったイメージが重なっている。子供の未来に残したいものだったに違いない。


 

 原子力エネルギーの研究は今も進み夢はついえていない。それほどに大きな夢だ。原発の賛否以前に、原発の大きな魅力のことを知り、描きたかった。描き終わってみると、もっともっとだ、力およばずだとすでに思っていて、特に「美」というテーマはどうしていいのか手に負えないところがあった。まだこのテーマでもう少し描いていきたい。


大谷美緒