昨年9月より、自分の展示をしてきたまるネコ堂ギャラリー。
いつか、他の誰かも展示してくれればと思っていましたが、こんなに早く実現しました。
とても嬉しいです。
今井雅子さんの絵画展示『我が家の北向きの裏庭』です。
会期は2021年7月1日〜8月29日です。
今井雅子さんは第1回まるネコ堂芸術祭の出展者。
芸術祭では途中経過の発表となった作品を完成させ展示してくれることになりました。
紙ではなく布に描かれた作品です。
刺繍もされています。
今井雅子さんからの作品ステートメントも最後に掲載していますので是非御覧ください。
ステートメントにありますが、作品の題材とすることで、庭と関わっていくということが面白いなと思いました。
作ることと生活すること(生活の場が変化すること)は別々のことではないと確かに思います。
作品に関して、少し書くと、やりたいこと自体をなるべくやろうとした形跡がしっかり見えているのが面白いと思います。
上部の家の屋根の部分は、作品全体とすんなり調和しているとはいえませんが、それが街中(住宅密集地)で起こった出来事であるということの重要性をしっかりしめしている。調和させることは困難だったと思いますが、全体に施されている刺繍によって繋ぎ止められているように見えます。
刺繍の花はかわいらしく、枯れた植物の曲線は意外に見るものがあるんだなと思いました。
今井さんの在廊日があります。
予定がつく方は是非その日にいらしてもらえればと思います。
■会場
まるネコ堂(京都府宇治市)
■会期
2021年7月1日(木)〜8月29日(日)
■時間
平日10:00ー16:00は通常空いていますが、
不在や催しのため対応できない場合がありますので、ご連絡の上お越しください。
土日祝も可能な場合がありますのでお問合ください。
■今井雅子さん在廊日
7月14日(水)10:30ー15:00
8月29日(日)10:30ー16:00
※お申込不要でお越しいただけますが、人数把握などのためご連絡いただけるとありがたいです。
■申込・連絡先
mio.yamane@gmail.com (大谷美緒)
今井雅子さんのステートメント
我が家にはリノベーションした際、建ぺい率の関係で生まれた北向きの裏庭があります。広さは三畳分くらいです。京都市内の住宅が密集した地域のため、隣家の壁に挟まれています。
庭らしく整えたいと思い、大雑把ながら土壌改良して、園芸品種の花の種を播いたりしましたが、芽は出ず、元々自生していたシダがぐんぐん伸びただけでした。そのまま持て余していたら、ある年の夏にはイタチが2匹現れるようになって、あたふたしました。
なかなか手をつけられないものの、気になるこの庭のことを作品の題材にすることで、腰を据えて関われそうな気がしました。
2020年10月から2021年5月にかけて、庭の移ろいを丁寧に眺めました。
気付いたことは、この庭が秋の終わりから春の始めにかけて思いの外、植物の緑鮮やかな空間になるということでした。街に緑が少なくなる寒い時期に、この庭の生き生きした植物の存在は、嬉しいものでした。シダが枯れて広くなった空間に次は背丈の低い植物が葉を広げる。そんな移り変わりが次から次へと続くのでした。
この作品には、庭がリノベーションによって生まれた2016年から2021年5月までが描かれています。
2021年6月23日 今井 雅子
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