10年以上お世話になりました。 |
高校生のときに母が編んでくれた毛糸のカーディガン。
「カーディガンが欲しい」と言ったらこれを編んでくれたのだった。
当時は、いかにも高校生が着てそうなもっと薄い感じの
ものが欲しかったので、これをもらった時にはびっりした。
しっかりした毛糸で編んであってけっこうごっつい。
制服のうえにこれを羽織ると肩がつっかえてとコートが着れなかった。
カーディガンは学校のロッカーに置いておいて、
学校に着いてコートを脱いでから着ていた。
目立つようで同級生によく褒められたが、
なんだか恥ずかしかった。
高校を卒業してからも毎年着ていた。
やっぱりコートの下に着れないので、メインは部屋着だった。
さすがにごっついだけあって他のセーターより随分暖かかった。
一昨年くらいから穴が開き始めた、
糸が弱って一番上のボタンが閉まらなくなった。
一度母に修理を依頼した。
それは治ったが全体にいろんなとこがほつれてきた。
私は編み物はしないのでどうしようか、
編み直してくれるか母に聞いてみると、
解きまでやるのであればいつになるかわからんけど、
と言いながらも、「いいよ」、と言ってくれた。
解き始めた。
ボタンを外して、袖を外すところまでは上手く行った。
そのあとが難航した。
編めないので、これがどう編まれているのかわからない。
どう解いたらスルスル解けていくのかわからなかった・・・
途中で糸を切ってしまったりで、また編むのに使えそうなほど
長い糸がとれなかった。
しばらくの格闘の後に無理だ十分だと挫折した。
もう、「さようなら」をしようと決めた。
なかば、ばらばらになり無残だった。
秋には毛糸のセーターを買いに行きたい。
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