カメラを手放すブレーキ。

2015年3月14日土曜日

持ち物

このカメラで撮影されたものをまだ現像したことがない。

このカメラ、そのものに思い入れがあるわけではないんやけど、いざ手放そうと思うとブレーキがかかった。家の前の「ご自由にお持ちください」の箱のポンッといれることもできるのに、「どっかで買い取ってくれないかな」と言った。まだちょっと遅延したいという感じだった。

現像セットを手放したときと同じ感じ。思い出すのはこんなフィルムカメラを使っていた頃のことで楽しい感じが頭に浮かぶ。毎日のように友人と散歩に行って写真を撮ってたこととか。自分で写真を撮ろうと借りてきたカメラでいつの間にかパートナーが撮影していたこととか。結局撮影はあまりせずに現像・焼付けに精を出していたこととか。

去年の夏頃、使おうと思ってこのカメラを部屋に出していたら、アメリカで旅をしてたときに使っていたという話を聞いた。ボディはボコボコになったけど、今でも使えるという。でも使ってないという。

それから1つフィルムを撮りきった。今2つ目のフィルムが入っていて26枚残っている。まだ現像に出していない1つ目のフィルムをとにかく現像に出そう。

カメラはカメラというよりも、それ自体が思い出の写真のようだ。カメラを見ることで思い出すことを楽しんでいて、そういうことをもう一度起こしたいという気持があったような。それがそのブレーキだったのか。