手放したオタマを持っていたおばちゃんとの時間。

2015年3月26日木曜日

持ち物

「火って魅力的やね」
「そうですね」

隣のおばちゃんに手招きされる。
家の中に入りと呼ばれて、この蝋燭立てを見せてもらった。

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要らなくなったものの一部は、
「どうぞお持ちください」と書いた箱の中に入れ、
道路から見えるとこに置いている。

「貰ってくださいしよう」、
箱に入れるときの掛け声。

手放したいけどすぐにはゴミ箱に入れにくいものは、
「誰か貰ってくれたら嬉しいな」、と思いながらそこに入れる。

誰かに持って行ってもらえると嬉しくて、
残ったときには諦めて捨てる。

持って行かれて使われるのか、またすぐに捨てられるのか
そんなことわからないけどとにかく少し嬉しくなる。

隣のおばちゃんはどうやら、
持って行ってくれる常連のようだ。


「あんたが置いてたオタマやねん」
この蝋燭立ては、以前私がその箱に入れたものだった。

柄を折り曲げておしゃれだった。

「貰ってください」したものをどうして使おうか
そんなのよく考えているそうだ。


私は手放したくて、箱からなくなって嬉しくて。
おばちゃんは手放されたものを見ていろいろ作るのを楽し。
作ったものをわざわざ見せてくれて、私はそれで嬉しくなる。

火を眺めて。
コーヒーを飲んで帰る。

縁を切ってオタマを手放したことで、
おばちゃんとのちょっとした時間を過ごした。